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芥川龙之介 鼻子 日语
私は、机に置いてあった読みかけの本を手にとった。引っ越しの时に、広くんがくれた芥川龙之介の本。もう、四ヶ月になるっていうのに、私はその中の『罗生门』しか読んでない。むずかしい汉字にはカナがふってあったけど、知らない言叶がたくさんあった。でも、きょうは『鼻』というお话をがんばって
読んでみる。ひとつ、声に出して読んでみよう。
「禅智内供の鼻といえば、池の尾で知らない者はない。长さは五、六寸あって上唇の上から顋の下まで下っている。形は元も先も同じように太い。いわば细长い肠诘めのような物が、ぶらりと颜のまん中からぶらさがっているのである。……」まあ、そのあとのお话の内容は、だいたいこんなものかしら。
――主人公である内供は、人から笑われる长い鼻を、弟子である僧の言うままに、热汤で蒸して、両足で踏みつけさせ、鼻の毛穴から毛抜きで脂を抜き出させる。鼻は短くなって、内供も、もうだれも、笑うものはないにちがいない、と思ったのもつかのま、长い鼻を知っている者たちは、内供の颜を见て、前よりもいっそうおかしそうな颜をして笑った。その态度に、内供は人间には矛盾したふたの感情があるこに気がつく。他人の不幸に同情する感情と、他人が幸福からぬけ出すことをよろこばず、むしろもう一度不幸に突き落とすような敌意の感情。このどうにもできない他人の感情に、ふさぎこんだ内供は、日ごにきげんがわるくなる。ある朝、目をさましてみると、鼻は一夜のうちに、またもとの通り长くなっていた。内供は、不思议にも鼻が短くなった时と同じような、はればれとした気持ちになり、もとにもどれば、もうだれも笑うものはないにちがいない、と心の中で自分にささやいた。――
読み终わって私は、パタンと音をたてて本をとじた。途中からは、声を出すのはよして、目だけで活字追っていた。なんだか笑いごとではすまされないような、惨めな悲しさがこみあげてくる。ああ、おもしろいお话だこと、と言ってる场合なんかじゃない。自分のことのように身につまされて、ますます忧うつな気分になってくる。
だれが见ても笑ってしまう长い鼻。颜の真ん中にあるのだから、决して隠しおおせることはできない丑い鼻を、始终、気にして、悩んでいながら、その感情を、人に知られるのが嫌だという内供の気持ちは、わかりすぎるほどよくわかる。外见を笑われるより、内面の惨めな気持ちを、见透かされたくないという、その感情。それは、いじめられていても、いじめられているのを気にして、おろおろうろたえ、悩んで、苦しんで、もがいているという内心を、ひとには绝対知られたくないという、私の気持ちと同じだもの。その姿势は、见え透いたそぶり。むなしい虚势。から元気の意地っ张り。――私の考えうる限り、どう
表现しても消极的なものしか浮かばない。结局は、だれもがお见通しなのだから、あわれなピエロを演じるしかないのよね。でもね、この気持ちが大切なのよ。この微妙な気持ちが、この世に生を授かって生まれた人间としての
证なのよ。やせ我慢っていうか、ううん、そんなせっぱつまったダサイものじゃなくて、もっと本能的で无视できない、そう、人间であることの夸り、と言えばいいのかしら、邪悪な感情に対して、意识的に言叶や暴力で反抗するのではなくて、无意识に尊厳を示して抵抗する。それが、夸り、プライドなのよ。そのプライドがあるからこそ、たとえ大势の前でバカにされ、いじめられていても、こたえたそぶりを见せない。平然としている。どうどうとして胸を张る。それが笑ったものを许さない无言の抵抗。実际、バカにされているのは、みんなが见ているんだから、それは打ち消すことはできない事実よ。でも、そうじゃなく、大切なのは心なのよ。バカにされても、全然こたえたそぶりをみせず、心の动揺を见透かされない
ようにする。それが生きる力、プライドなのよ。こたえたそぶりを见せてしまえば、负けになる。でも、そのプライドって、すっごく重いのよね。重くて、自分自身がおしつぶされるような気がする。もし、プライドをかなぐりすてて、すべてが解决し、悩みから解放されるのだったら、私は、自分がいじめられていることを认めて、クラスのみんなに、私は悩んでいるんです、もういじめるのはよしてくださ、すみません、すみません、って泣きながらお愿いするかもしれないのに、(って、やっぱり『お愿い』するっていうのは、おかしいし)现実はそんなにあまくはないことが、『鼻』を読んでわかるなんて
――。
 结局、禅智内供は、他人が不幸からぬけ出して幸福になることに敌意を抱く人たちに屈してしまったのよ。そうに决まっている。もうこれで谁も笑うものはいないだろう、って呑気に言ってるけど、まわりの人间は、见惯れてしまって笑わないだけで、内供が幸福になることを许さないし、初めて会った人は、そんな肠诘めみたいな长い鼻を、やっぱり笑うだろうし、私としては、普通の鼻になって、そのことに敌意を抱く人たちと戦ってほしかった。神様は、なぜ、いまの私に、このお话を読ませになったのかしら……。私が、神様を信じてないから?それとも神様はサディストだって思ったから? その罚として、辛い気持ちにさせようとされたのから……。确かに私は、年に一度、お正月にしか神社に行って手を合わせないけれど、お赛銭はお小遣いのなかから十円出して、お愿いごとも三つまでにしているのに――。神様、近いうちに、必ずお参りに行きます。そして、もうサディストだなんて思いません。だから、お怒りにならないで、どうか迷えるこひつじを、正しい道へとお导きくださいませ――。ああ、『鼻』なんて小说を読んだのがいけなかったのか、私は、じっとイスにすわっていることすら、堪えられなくなってしまった。
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