打开APP
userphoto
未登录

开通VIP,畅享免费电子书等14项超值服

开通VIP
【日语演讲集】ぶつかってこそ(高田敏子)

高田敏子


--------------------------------------------------------------------------------

【成人式に於いて】

ぶつかってこそ


  本日は成人式おめでとうございます。
そこできょうはみなさんに思い方の楽しさ、考え方の工夫というお話をしたいと思います。私の母は、梨の実を「ナシ」とは決して言わず、「アリの実」と言っていました。「すり鉢」のことも「あたり鉢」といった具合で、母は縁起かつぎで、なんでもよい言い方をしないと気が済みませんでした。


  私がうっかりお皿などを取り落として割ってしまったときも、「あなたはそそっかしい」と叱ったあと「まあしかたがない、数が増えたのだから縁起がよい」と言い直しました。
割れて破片になってしまったのを、数が増えたと言うのは少しおかしなこじつけですけれど、叱るのをやめてよいほうに言い直してくれることで、私はほっと救われる思いでした。毎日のなかのちょっとしたことにも、自分を元気づける、目覚めさせる、その思い方の工夫が大切なのではないでしょうか。


  私の親しくしていただいている詩人、吉野弘さんは、<動詞 ”ぶつかる”>という詩を書かれていますが、それは、盲人の娘さんが、交換手の技術をマスターして仕事を持たれたのをテレビで見て、書かれたものです。
娘さんは毎日の通勤を一人でして、いろいろなものにぶつかりながら歩き「ぶつかるものがあると安心なのです」といわれました。娘さんは、ぶつかることによって、その一つ一つを確認しながら歩いてゆく、そのことについて吉野さんは、「ぶつかってくるすべてに自分を打ち当て、火打ち石のように爽やかに発火しながら歩いて行く彼女」と書かれています。
私たち目の見えるものは、ぶつかるものは邪魔ものとして、ぶつからないようによけて通ります。日常の生活ではそれが当然ですけれど、人生のうえでは、ぶつかることによって知ることがどんなに多いことでしょう。


  じつはきのう、私の娘、クツのデザイナーをしている二女が、自分の仕事を一歩前進させて、お店を持とうと思うがどうかしら、と相談に来ました。それが成功するか、失敗に終るかどうか私にもわかりません。
私は吉野さんの詩を思い出して「ぶつかってみなければわからないわね」といいました。
ぶつかりながら知ってゆく、痛い思いをしながら学んでゆく、それがほんとうの意味で”する”ということなのでしょう。
毎日を生きてゆくうえでは、いろいろなことにぶつかってゆくわけですけれど、悲しいこと、苦しいことにぶつかったときも、それを不幸とばかり思うのではなく「これで一つ知ったのね」という思い方を持つことが、必要なのではないでしょうか。
「ここ一番役立つ有名人?名スピーチ集」 より

本站仅提供存储服务,所有内容均由用户发布,如发现有害或侵权内容,请点击举报
打开APP,阅读全文并永久保存 查看更多类似文章
猜你喜欢
类似文章
【热】打开小程序,算一算2024你的财运
【云南】田敏诗文选
结婚忌四离四绝四废十恶大败日三娘煞日
【萌娘】日系の萝莉
日記
上田敏偏瘫上下肢12级评定总结表
豫剧 《春秋配》田敏
更多类似文章 >>
生活服务
热点新闻
分享 收藏 导长图 关注 下载文章
绑定账号成功
后续可登录账号畅享VIP特权!
如果VIP功能使用有故障,
可点击这里联系客服!

联系客服