現代アメリカの株式市場を描いた実録『フラッシュ?ボーイズ』（マイケル?ルイス著、２０１４年）には、妙なことを言う証券マンたちが出てくる。お金を払ってもいいから自分の席を配線に近いところにしてと訴える人がいる
《高频交易员》（迈克尔刘易斯著，2014年出版）通过一群华尔街的奇人异士真实记录了现代的美国股市。这些操盘手不惜花重金也要将椅子搬到离网线更近的位置。
▼部屋にある光ファイバー回線が数メートル余分に長いと文句を言う人もいる。回線が短いほどコンピューターの通信速度が増して速く株取引ができると、真剣そのものなのだ。何しろ彼らは、秒単位でなく「ミリ秒」単位を争っているのだから。１千分の１秒である
他们抱怨室内的光纤网络太长，达数米远。这可不是开玩笑，网线越短，电脑网速增加，股票交易就越快。总之，为了完成交易，他们不是争分夺秒，而是毫秒必争，即千分之一秒。
▼まばたきする間に何度も繰り返される株式売買を「超高速取引」という。米国が先進地だったが、世界に広がりつつある。日本でも１９日に株式の先物を扱う市場が一段と高速化し、海外に見劣りしない土俵が整うという
眨眼功夫完成数次股票交易，称之为“高频交易”。美国曾是高频交易的发达地区，如今已在全世界得到发展。19日，日本通过进一步提升股票期货交易速度，具备了不逊于国外的交易市场。
▼生身の人間では追いつけない世界だ。熟練の運用担当者ならばこう行動すると教え込まれたコンピューターが、瞬時の判断を続ける。それにしても気になるのは、速い取引でもうける業者がいる一方、一般の投資家が不利にならないかだ
这终究是活人无法企及的世界。电脑在熟练的操盘手指示下，持续做出瞬间判断。即便如此，高频交易令操盘手赚得盆满钵满的同时，会不会对一般投资者造成不利影响呢？
▼「超高速取引は他の誰かから数セントでも多くかすめ取ろうというやり方だ」。そんな批判を米国で聞いたことがある。市場が不安定になるという懸念もある。逆に取引が活発化して安定するとの説もあるが、どうもすとんと落ちない
美国曾批判过高频交易，“连一美分都不放过地掠夺他人财富，以此积少成多。”有人担心会令市场动荡不安，相反也有人认为活跃交易会让市场稳定，不管怎样，都无法畅快地舒一口气。
▼「目にも止まらぬ」取引である。「目まぐるしく」変化もする。視覚では捉えられないところに、不公正が忍び込むことはないか。心配しすぎとは思わない。
这种交易令人“目不暇接”，同时也“变幻莫测”。在视觉无法捕捉的地方，是否隐藏着不公正？我想这并非过度担心。
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