米国の大学で、新学期になると学生にこんな問いかけをする経済学の教授がいた。「10年前には存在しなかったが、いまは身の回りにあるモノを思いつく限り言ってみて」。技術の進歩がいかに人間の暮らしを変えるのか、実感させるためだ
在美国一所大学,新学期开学之际,为了让学生体会技术的进步如何改变人们的生活,有一位经济学教授会向学生提问:“说一说你能想到的所有10年前还不存在,但现在随处可见的东西。”
▼10年前なら夢物語としか思えなかったものが、どんどん実用化しつつある昨今である。自動運転の乗用車の開発が進み、無人機ドローンによる宅配が検討される。会社の経営判断に人工知能が関わる日も近いかもしれない。ただ心配もある
十年前只能在梦里想一想的东西最近越来越实用化。随着无人驾驶技术的开发,科学家开始探讨用无人机送快递。或许人工智能走进企业经营判断的脚步越来越近,但是依然存在担心。
▼「十年後存在しないかもしれない本と言葉と職種と我と」。書店に勤める若き歌人、佐佐木定綱(さだつな)氏の作である。紙の本という存在、書店員という仕事はこの先どうなっていくのか。似たような不安は程度の差はあれ多くの仕事に当てはまるのではないか
在书店工作的年轻短歌诗人佐佐木定纲有一首短歌:“十年后可能消失的有书,语言,工作还有我”。纸质书,还有书店店员这种工作未来会怎样?很多不同的职业都面临着同样的不安吧,只是担心的程度不同。
▼人工知能は職を奪うだけでなく、いずれ人間を支配すると恐れる学者がいる。遺伝子操作で親の望む赤ちゃんをつくるのは是か非かの議論も起きている。今年、来年、あるいは10年先、科学技術は人間をどこに連れていくのだろう
有学者担心人工智能剥夺的不仅仅只是工作,总有一天可能会支配人类。通过基因操作生出父母期望的宝宝是否合理,众说纷纭。今年,明年,以至十年后,科学技术会把人类带往何处?
▼「一本のナイフはパンを切るためにも喉(のど)を切るためにも使用できる」と、社会学者ジグムント?バウマン氏が対談書で述べている。社会を便利にしたIT革命が、誰かから監視される仕組みを生むかもしれないという指摘である。あらゆる技術に通じる例えだろう
社会学家齐格蒙特·鲍曼在对谈中阐述:“一把刀可以用来切面包,也可以切断人的咽喉。”IT技术革命让社会越来越便利的同时,也因信息监控而饱受诟病。这种事例通用于所有的技术吧。
▼技術に振り回されるのではなく使いこなすにはどうすればいいか。考え続けなければいけない問いである。
如何才能做到熟练掌握技术,而不被技术耍弄?这是一个需要持续不断思考的问题。
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生词释义:
昨今:さっこん 近来,最近
夢物語:ゆめものがたり 梦话
ドローン:无人驾驶飞机
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