アルキンとは、一般式CnH2n-2(n≧2)で表される、分子内に炭素炭素三重結合(C≡C)を1つ持つ鎖式不飽和炭化水素のことだ。
アルキンはアルカンからH原子を4つとったものと考えることができる。
アルキンの名称は、アルカンの語尾のアン(ane)をイン(yne)に変えたものだ。
n | 分子式 | 一般名 | 慣用名 |
---|---|---|---|
2 | C2H2 | エチン | アセチレン |
3 | C3H4 | プロピン | メチルアセチレン |
4 | C4H6 | ブチン | なし |
5 | C5H8 | ペンチン | なし |
6 | C6H10 | ヘキシン | なし |
ここでは、入試や定期テストで頻出の「アセチレンの製法」を確認していこう。
アセチレンを実験室内で作る際は炭化カルシウムCaC2(=カーバイド)に水H2Oを加える。
アルキンの反応の中で入試で出てくるのはほぼ全てアセチレン。従って、ここでもアセチレンに関する反応に絞って解説していくことにする。
アセチレンにはハロゲン分子であるBr2を付加することができる。
結果として、臭素Br2の赤褐色が消えることになるので、この反応は臭素の脱色を利用した「炭素炭素三重結合の検出反応」として用いられる。
H-Xというのは、水素Hとなにか(X)が結合してできた化合物のこと。ここでは、代表的なH-X(水素H-H、塩化水素H-Cl、酢酸H-OCOCH3、シアン化水素H-CN)について付加、付加重合反応を確認していく。
まず、アセチレンの三重結合のうち一本が切れH-Xが付加する。次に、残った二重結合のうち一本が切れ、外側に結合を開いて“重合”する。(重合というのは以下のような状態のこと)
無数に同じ部分が繰り返すことを[]とnを使って表しているんだね。
水H-OHの付加は、H-Xの付加の一種と考えることができるが、これまで上で紹介してきたようにはならないので注意しよう。
エノール型であるビニルアルコールは非常に不安定であるため、より安定なアセトアルデヒドに変化してしまい重合は起こりづらい。
アセチレンが三分子重合するとベンゼンが生成する。
この反応は触媒としてFeが使われ、ベンゼンの製法として有名なのでよく覚えておこう。
アルキンにアンモニア性硝酸銀水溶液([Ag(NH3)2] )を加えると銀アセチリドの白色沈殿が生成する。この反応は炭素炭素三重結合(C≡C)の検出反応として用いられている。
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