こんにちは。
> この説明を見た学生は「この二つは同じなのか」と考えると思います。
> しかし「~ているばかり」と「~てばかりいる」は
> 常に同じように言い換えられるわけではないですよね?
はい、言い換えられないと思います。
> また、言い換えができても、
> 「~ているばかり」は「~しているだけ」という意味ですが
> 「~てばかりいる」は「いつも~している」ということで
> 両者は違うと思うのですが、うまく説明ができません。
上の説明「~だけ」「いつも~」はいいと思います。
> ○彼はいつも食べているばかりだ。
> ○彼はいつも食べてばかりいる。
>
> ×彼らはケンカをしているばかりだ。
> ○彼らはケンカをしてばかりいる。
>
> ×毎日、雨が降っているばかりだ。
> ○毎日、雨が降ってばかりいる。
>
> 「~ているばかり」は使えない場合が多いと思うのですが、
> その制限が何なのかわからず混乱しています。
> また、次の文なら使える気がするのですが…。
>
> ?彼らはケンカをしているばかりで話し合いにならない。
> ?毎日、雨が降っているばかりで嫌になる。
それぞれの「~るばかりだ」の例は、「~ている」にするより、単に「するばかりだ」の形のほうがいいと思います。
食べるばかりだ。
けんかをするばかりだ。
雨が降るばかりだ。
それぞれ、適当な文脈があれば言えると思います。(「けんか」の例はそれでも不自然?)
なお、「雨が降ってばかりだ」の形も使えると思います。
「ばかり」を使った文型の整理をしたものを下にコピーします。あまりうまくまとまっていませんが、参考にしていただければ幸いです。(「~したばかり」の用法は扱っていません。)
.......................
(1)Nばかり:限定
「だけ」に意味が近く、あることに該当するのはその主体?対象などに限ら
れて、ほかのものはそうでないことを言います。が、「だけ」が該当するもの
が限定されていて、少ないような意味合いであるのにたいして、「ばかり」は
該当するものはすべてそうである、という意味合いです。繰り返しが暗示され
ることもあります。
私ばかり(が)しかられます。
ごはんを食べないで、おかずばかり(を)食べます。
テレビばかり見ています。 cf. テレビを見てばかりいます。
女の子とばかり遊びます。
映画にばかり行きます。
このおもちゃでばかり遊ぶのです。
株のセールスマンは「絶対大丈夫」とばかり言います。
「だ?です」の前にも来ます。「ばかりの」の形もあります。
会員は男の人ばかりです。
会場は有名な人ばかりで、ちょっと緊張しました。
嘘ばかりの証言 貴重本ばかりの書庫
次の例では「全部がそうだ」という意味合いが強く、「だけ」は使えません。
文法の本を読むと、知らないことばかりで、うんざりします。
あの山の頂上は岩ばかりです。
「が」と「を」の前に来る外は、格助詞の後ろに付くのがふつうです。
形容詞文、名詞文の補語には付きにくいようです。
?彼ばかりがいつも暇です/病気です。
数量のあとに付けてだいたいの量を表わします。「ぐらい」と同じような使
い方ですが、書き言葉的です。実際に数量がはっきりしなかったというより、
表現を柔らかくするために数をぼかして言う言い方としてよく使われます。
3日ばかり旅行をしました。
20人ばかりいました。
(2)「V-てばかりいる」
漫画を読んでばかりいる。
「ばかり」の「すべてそうである」という意味が働き、「漫画を読む」こと、
そればかりで、他のことをしない、という意味になります。ここで「他のこと」
とは、例えば勉強をする、運動をする、などでしょう。「Nばかり」の形で、
漫画ばかり読んでいる。
とすると、「本を読まないで」と、「漫画」と同じようなものとの対比になり
ます。
ただし、
嘘ばかりついている。
のような場合は、「嘘」以外のものを「つかない」ということではなく、
嘘をついてばかりいる。
と同じになります。「嘘をつく」全体が一つの動詞相当になっています。
(3)述語+ばかり
「~ばかりだ」は、それ以外のことが起こらない、という否定的な意味が裏にあります。「~ばかりで、~」の形も多いです。その場合、主節にも否定的な内容が来ます。過去形?否定形は使いません。
単身赴任の日曜日、ただ家族のことを思うばかりだ。
彼は文句を言うばかりで、ちっとも仕事をしない。
シルクロード。ただ砂漠が広がるばかりだったが、感動した。
こうなったら、後はひたすら祈るばかりだ。
ただ見ているばかりで、何もできなかった。
これは安いばかりで、性能は良くない。
楽な仕事だけれども、退屈なばかりでいやになってきた。
主節に命令や意志などは来ません。推量は使えます。
どうせ人が多いばかりで、面白いことはないだろう。
×ちょっと見るばかりで、すぐ帰ってきなさい/来よう。(○だけで)
「~ばかりでなく」の形があり、「~だけでなく」とほとんど同じ意味で使
われます。「~ばかりか」の形でも同じ意味で、少し書きことばです。いいこ
とにも悪いことにも使えます。主節に「Nも」がよく使われます。
この果物はおいしいばかりでなく、香りもいい。
いつも顔を出すばかりでなく、必ずおみやげを持ってくる。
彼女は、テニスが得意なばかりか、スキーも一級の腕前だ。
顔を出さないばかりか、電話もしてこない。
「~ばかりが(~ない)」の形もよく使われます。あとに否定的な内容が来
ます。「~だけが」に置き換えられます。
早いばかりがいいとは言えない。
目立つばかりが個性じゃない。
このトランクは大きいばかりが取り柄で、かさばって困る。
「V-ばかりだ」は上にあげた以外の意味もあります。
まず、ある方向への変化ばかりが起こる、という用法があります。悪いことが多いようです。
毎年、トシと体重が増えるばかりだ。
考えれば考えるほど、わからなくなるばかりだ。
この地区の人口は減って行くばかりで、高齢化が進んでいる。
もう一つの用法は、「外の準備は終わって、残っているのはこのことだけだ」
というような意味を表します。あまり多くは使われません。
準備は全部終わって、後は始めるばかりだ。
留学の手続きをみなすませ、後は出発の日を待つばかりだ。
豪華な料理が並べられ、乾杯の合図を待つばかりになっている。
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