兎と蛙
ある日、兎たちが集まって、話しをしているうちに、みんな、ひどく悲しくなってしまいました。
なぜなら、兎はいつもビクビクして、暮らしているからです。
「本当に、ぼくらは人間にも、犬にも、鷲にも狙われてるし、ほかにも、ぼくらを餌にしようとしている動物は一杯いるから、怖いなあ。毎日こんなに恐ろしい思いをするくらいなら、どうだろう、いっそ、ひと思いに死んでしまうほうが、ましじゃあないか」
兎たちはこう考えて、みんなで池に飛び込んで死ぬことに決めました。
そこで兎たちは、いっせいに池を目指して走っていきました。
ところが、その池の畔には、たくさんの蛙がいて、兎たちの足音を聞いた途端に、慌てて水に飛び込んで逃げました。
それを見て、兎の中の一番賢い一匹が、みんなに言いました。
「おーい、みんな待ちたまえ。自殺は止めよう。ご覧のとおり、ぼくたちよりも、もっと弱虫で、ビクビクしているやつがいることが分かったからね」
このお話しは、不幸せな人は、自分よりも不幸せな人を見ると、安心するものだということを教えています。
ビクビク:战战兢兢,提心吊胆。
狙(ねら)う:瞄准,寻找机会。
餌(えさ):食物。
いっそ:索性,倒不如。
ひと思いに:一咬牙。
まし:比……好些。
飛び込む:跳入。
目指(めざ)す:以……为(目标)。
畔(ほとり):边,畔。
足音(あしおと):脚步声。
賢(かしこ)い:聪明。
たまえ:吧。
弱虫(よわむし):弹小鬼。
不幸(ふしあわ)せ:不幸。
兔子与青蛙
有一天,众多兔子聚集在一起聊天,聊着聊着,大家都悲伤起来。
要说为什么,因为兔子总是提心吊胆的过日子。
兔子想:“真是的,人、狗和鹰盯着我们。另外还有许多动物想吃我们。太可怕了!与其每天担惊害怕,还不如一死了之的好。”
于是他们决定大家一起跳池塘自杀。
兔子们一齐奔向池塘。
可是池塘边有许多青蛙,它们听到兔子的脚步声后,慌忙跳下水逃走了。
见此,有一只最聪明的兔子,对大家说:“喂!朋友们,快停下!我们不要去寻死了!你们看,这里还有些比我们更胆小,被我们吓得发抖的动物呢!”
这故事告诉我们,不幸的人看见比自己更不幸的人会感到安慰。
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