2012年度の国公私立大学の大学設置数は最多の783校となった。大学の設置基準の緩和により、この20年で1.5倍に膨らんだ。私大の数が大幅に増え、日本私立学校振興?共済事業団の発表によると、4年制私立大605校のうち45.8%が定員割れ。最近では名門の東京女学館が経営悪化で今春から募集を停止、閉校を決めた。法科大学院など、創立数年で存続が危うくなる大学もある。
上昇し続けてきた大学進学率は、最近では50%超で横ばい。18歳人口の減少が進む中、大学進学率が上昇する見通しがなければ、定員割れで大学倒産が進む。大学設置の在り方への見直し論が高まっている。
増え過ぎた大学の数を減らせば、定員割れは改善される。だが、それだけで大学の教育の質が向上するわけではない。大学教育に必要な基礎学力を小中高の各段階でしっかり身に付けさせる。これまでの教育の在り方を再検討することも必要だろう。
設置基準を見直し、適正な大学の数を維持しながら、かつ競争力を失わない。大学の教育の質を保証しつつ、大学進学率も欧米諸国並みにする。グローバル化に向けて、質、量ともに教育力の強化が求められる。
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